蛍光灯は水銀が入っているから使えなくなるの?『水銀条約政府間交渉委員会第5回会合の準備のためのアジア太平洋地域会合』が開催されました

水銀条約をご存知ですか?

照明にビジネスとして関わっている以上、LEDが多くなったといいつつも放電灯である蛍光灯やメタルハライドランプなどのランプを使用・販売する機会は、性能的・実務的にもまだまだ多い。そして、これらのランプに’水銀’が使われているのは間違いない。

何年か前に、トヨタが新しく発売する車種の放電灯のヘッドライトはすべて「マーキュリーフリー」タイプ、いわゆる水銀が含まれていないタイプのランプにするというような話があった。しかし、車用のランプは放電灯でもD4と呼ばれるマーキュリーフリーランプの選択肢はあるが、店舗や工場などでは水銀が含まれるランプを使用しないということは、つまり放電灯を使わないという選択肢になる。


HID on FRS stock lamp assembly / Moto@Club4AG

ちなみに水銀条約については、国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 706(2011. 3.31.) の冒頭の文章がわかりやすい。

水銀は、水俣病をはじめ世界各地で健康被害を引き起こしてきた。国内では削減努力により水銀消費量は減少しているものの、新興国などでは増加傾向にあり、石炭の燃焼や金の採掘等によって排出された水銀が環境を汚染している。
近年は、工場等の特定汚染源による健康被害だけでなく、環境中の水銀が食物連鎖によって大型魚介類等に高濃度で蓄積し、それを摂食することによる胎児への影響なども心配されるようになってきた。
こうしたリスクを減らすため、水銀汚染防止に向けた国際的な取組みが強化されつつある。その柱の一つが水銀条約であり、2013 年の採択に向けて、現在、政府間交渉委員会で検討中である。条約では、水銀の輸出や使用等が制限される見込みであるが、日本は水銀の輸出国であり対応を迫られている。

そして、2013年の水銀条約採択に向けて、来年1月13日(日)からジュネーブ(スイス)で「水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第5回会合」が開催されるのだが、その会合にあたっての「アジア太平洋地域会合」が10月31日、11月1日とバンコク(タイ)で行われた。

Mercury

その報告が、経済産業省のニュースリリースで読むことができる。

「水銀条約政府間交渉委員会第5回会合の準備のためのアジア太平洋地域会合」が開催されました(METI/経済産業省)

なかでも、私達のビジネスに直接関係があり気になるのはこの部分。

水銀添加製品の規制については、規制対象を列挙したリスト(ポジティ ブリスト方式)等に関して議論が行われました。同リストに列挙されて いる製品の定義(- 蛍光管に PC 等のバックライトが含まれるか否か 等 –)、猶予期間の必要性(- 途上国における蛍光灯利用は、省エネの観点 から当面猶予すべきではないか -)、適用除外の範囲(- 宗教目的の水銀 利用は除外すべきではないか -)などの論点について各国から意見が述 べられ、今後、各国に対し追加的な情報の提出を求めつつ、他の関心国 と共同で第5回INCに向けてリストの修正案を提案することとなりま した。

項目だけ抜き出すと以下の3項目。

1.規制対象製品の定義
2.猶予期間と猶予期間を設ける地域
3.適用除外品の範囲

これまでの情報を見ると、先進国では”蛍光灯”や”水銀灯”が規制される可能性は非常に高い。ただし、その開始時期や適用製品の区切りについてはまだまだわからないところが多いという実情。

いずれにせよ、そう遠くない将来、水銀を利用した放電灯のラインナップが国内での利用・販売ができなくなることを含め、自分たちのビジネスは、どういった部分で稼いでいくのかを考えておく必要がありますね。


080215 / tamakisono