こんにちは、スマートライト中畑です。
今日はランプの効率についての話です。
ランプ効率
さて、世の中、白熱電球や蛍光灯、LEDなどいろんなランプの種類があり、さらに、LEDだけでも各メーカーが様々な商品を出しているので、いったいどのメーカーのどのランプが、どれだけの省エネ性能をもっているのか、なかなかわからなかったりします。
そんな時、ランプ単体の省エネ性能を評価するには、ランプ効率:ルーメン/ワット(ルーメン・パー・ワット)という数字に置き換えると比較検討がしやすくなります。
これは、ランプから発生する光を光束(こうそく)という単位に置き換えて、その数字をランプに必要な電力をワットとして割り算することで計算することができます。
そして、この計算に必要となるランプの性能については、下図の様にランプのカタログで知ることが出来ます。

たとえばこの場合だと、全光束(lm)が300、定格ランプ電力(W)が7なので、300(lm)÷7(W)= 42.9(lm/W)という数字になります。
エネルギーは何に変わるの?
同じ電力を消費するのに、ランプによって効率が違うのは、電力が光以外に変換されてしまうからです。その代表的なものは熱ですが、それを表すこんな資料があります。

これは、100Wの白熱電球の電力変換をあらわした図です。それぞれの番号とその電力を説明します。

① 可視光 5W
② フィラメントから放出される赤外線 61W
③ フィラメントからランプ表面に到達するまでのロス 34W
④ ランプ表面からの放出される赤外線 22W
⑤ 全体的なロス 12W
⑥ 赤外線 83W
順番に説明を補足します。

まず、①の可視光5Wですが、これがこの100Wの白熱電球から照射される光(可視光)の電力です。つまり、赤矢印部分の残りの95Wは光以外に変換されます。

次に一番最後の⑥ですが、これがランプから照射される赤外線です。赤外線は熱なので、100Wの電力のうち83Wとかなりの割合が熱に変換されます。

さて、⑥の赤外線83Wの内訳ですが、このうちピンク色の②61Wがフィラメントから発生しそのままランプの外へと照射される赤外線になります。また、黄色の④22Wはランプの表面から放出される赤外線です。ここがちょっとわかりにくいのですが、次にすすみます。

電源から入力された100Wの電力は、ランプのフィラメント(抵抗)を通ることで、黄色①の可視光5Wと、ピンク②の赤外線61Wと、グレー③のロス34Wに別れます。

オレンジ④の22Wは、グレー③のロス34Wのうち、ランプ表面に到達することで赤外線に変わります。このグレー③のロス34Wは空気やフィラメントやランプのガラスを伝わってランプの表面までたどりついたものです。ただし、グレー⑤の12Wについては、光にも赤外線にもなることなく、完全なロスとして発生するものです。
まとめ
以上、白熱灯に供給された100Wの電力が何に変わるかを説明しました。白熱電球の場合は、炎と同じようにモノを燃焼させて光が発生する原理なので、電力のほとんどは赤外線(熱)となってしまいます。なので、ランプ効率も低くなっています。
一方、蛍光灯の場合は放電によって紫外線を発生させ、その紫外線を光に変換する蛍光体を使った発光方式となります。よって、電力変換の内訳もまたがらっと変わってきます。
近いうちに、蛍光灯についての電力変換についての説明をしたいと思っています。
ということで、ご質問などありましたら、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。