普通の人がまず目にすることの無い特殊なランプ:【熱電対付きランプ】

おはようございます。今日も雨ですね。私は家から駅まで約2kmを毎日往復しているので雨だとバスを使うようにしているのですが、早朝だと始発バスより早くてズボンの裾もリュックもずぶ濡れになってしまうスマートライト中畑です。


Umbrella / Thejaswi

さて、先日、ハロゲンランプやメタルハライドランプを支えるモリブデン箔というものの紹介をさせていただきました。

スマートライト|照明についてのポータルサイト » Blog Archive » ハロゲンランプやメタルハライドランプを支える沈黙の偉人モリブデン箔

今日は、照明器具を製造しているメーカーが、開発した器具の温度がちゃんとランプの仕様で決められた温度内で設計されているかどうかを確認するための特殊なランプのご紹介をします。

そのランプと、この【熱電対付きランプ】と呼ばれるものです。

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熱電対の原理はwikipediaでみてみると、

熱電対(ねつでんつい、thermocouple)は温度差を測定するセンサ。異なる二種の金属を接合すると、それぞれの熱電能の違いから2つの接合点を異なる温度に応じた電圧が発生し一定の方向に電流が流れる。異種金属の2接点間の温度差によって熱起電力が生じる現象(ゼーベック効果)を利用した温度センサである。

熱電対 – Wikipedia

とのこと。

ランプの場合、モリブデン箔部分の温度が350度を超えるとモリブデンの酸化が急激に進み単寿命になったり、ダイクロイックミラー部分の温度が高温になると蒸着した素材が蒸発して光の質(色)が変化しまったりと不具合が発生します。

なので、モリブデン箔部分やリフレクター部分に熱電対を取り付けたランプをランプ工場でつくり、照明器具メーカーが自社の器具に熱電対付きランプを組み込み、時間かけてその温度を確認します。

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一般的に店舗や家庭などで使用される照明器具の場合、空冷ファンをとりつけることは騒音やコストなどの問題からあまりありませんので、器具を凝ったデザインにしたりコンパクトにすればするほど、どのように放熱を行うかが器具開発者の悩みどころだったり、ノウハウだったりします。

そして、熱電対付きランプで測定した温度データがオーバーしてしまったりすると、デザインとやコストと放熱のバランスを取る為に、また頭を悩ませることとなるのです。

ということで、普通に使う人にはまずお目にかかれないこの【熱電対付きランプ】を今日は紹介させていただきました。

調光器対応タイプのLED電球で調光がうまくいかない時の解決策

最近、「調光器対応タイプLED」や「調光タイプLED」などが発売されており、かつて、”ここにはLED電球は使ってはいけません”と注意書きがされていたようなアプリケーションにも対応した、LED電球が各社から販売されています。

さて、今回は、調光器対応タイプのLED電球についてのお話です。

一般的に調光器がついている現場とは、「飲食店」「ホテルの客室」「バー」「スタジオ」「クラブ」「舞台」などがあります。

明るさを変える事によって空間に様々な表情を見せたい時などに調光器が使われており、それだけプロ向けで照明にこだわった空間に使われている事が多いです。

調光器には「位相制御(いそうせいぎょ)サイリスタ」方式と「PWM」方式の2つがあります。調光器には、製品によって予めアンペア数、消費電力の(ワット数)の容量が決められており、その容量の範囲内でしか調光が利かない仕組みとなっております。

例えば、10A(100Vの場合は1000W)が定格容量の調光器の場合、照明器具のワット数の合計が約700W(容量の約70%)までに抑えるのが一般的です。

では、調光器つきのある店舗のランプをLEDランプに変更する例を上げてみます。

【既存のランプ】
■調光器:700W(定格は1000W)が上限の調光器。
■照明:ダイクロハロゲン50W
■数量:14個
■合計消費電力:700W

【LEDランプ】
■調光器:700W(定格は1000W)が上限の調光器。
■照明:ダイクロ形LEDランプ4.5W
■数量:14個
■合計消費電力:63W

このケース、LED電球に変える事で消費電力は10分の1以下にまで削減しています。

しかし、まれに調光がうまく利かない場合もあります。

これは、調光器の性能として下限(消費電力の最低負荷)があることが原因となっていることがあります。

この場合の対策としては、負荷を増やす事で解決します。たとえば、既存のダイクロハロゲンを1つそのまま点灯するなどです。

LED電球の普及によりLEDが使用されるケースは増えていますが、本来、白熱やハロゲンランプ用に設計された装置では予想されなかった状況になることで、うまく動作しないケースがあります。

上記の様に、既存ランプを1個点灯するだけで解決するようなこともあれば、装置を丸丸交換しなければならないようなことなどさまざまです。

ここら辺、ランプや電源、照明器具についての知識だけではなく、実は「経験値」も重要になってくるので、なにかお困りのことがありましたら、お気軽にスマートライトまでご相談ください。

ご相談はこちらから

ちなみに、調光に対応したLED電球はこんなラインナップがありますよ!

調光タイプ ハロゲン形LED電球

001

ウシオ LDR5L-M-E11/D/27/5/18
ウシオ LDR5L-W-E11/D/27/5/30

調光タイプ ミニレフ形LED電球

002

ウシオ LDR100V3.5W27/VW/E17
ウシオ LDR100V3.5W30/VW/E17

■調光タイプ シャンデリア電球形LED電球はこちら
003

ウシオ Let調光タイプ(ULEF~)

■調光タイプ 一般電球形LED電球はこちら
Pa LDA8LA1D 500
【パナソニック】 LDA8LA1D 30W相当 電球色

Pa LDA8DA1D 500
【パナソニック】 LDA8DA1D 40W相当 昼白色

近藤電気のKP-10Sというランプをご存じですか?

近藤電気をご存じですか?

1927年に映写機や投光器用ランプの製造を開始したランプメーカーです。その後、外資系企業からの技術提携や合併、社名変更を繰り返し、現在は宮城県石巻市に本社工場を持つ、河北ライティングソリューションズ株式会社として、日々、高品質のハロゲンランプを中心に製造されています。

ご存じのとおり、現在はLEDの台頭により一般照明や単に明るさだけが必要なハロゲンランプの需要は減少していく一方ですが、可視光や赤外ともに波長域や均一性・照射エリアなど特殊仕様を求められる工業・医療用検査装置、半導体製造装置などには、まだまだこの会社の持つ高い技術力がなければ実現できないものも少なくありません。実際、昨年も多くの企業より光源についての相談があり、顧客の要望に合わせた新製品をいくつも開発し採用されたそうです。

実はなぜこんな記事を書いたかと言うと、今回、倉庫を整理してこんなランプが出てきたのです。

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これは、KP-10S 100V-300Wというランプで、ハロゲンではなく白熱電球です。かつて、8ミリ映写機やスライドプロジェクターなどの光源として非常に多く利用されていたランプで、今でもたまに問い合わせをいただきます。私自身はこのランプの最盛期は知らないのですが、諸先輩の方々からは武勇伝!?や、当時、家庭や学校の暗い部屋で8ミリやスライド映写機が大活躍して子供達や家族が想い出をつくっていた時代のお話をききます。(私も小学校の頃はスライドプロジェクターが大活躍していました)

懐かしいですね。

さて、現在はこのランプを製造していた装置とともに富士電球工業株式会社にこの製造が移管され、FP-10S 100V-300Wという型番で販売が継続されています。

冨士電球工業株式会社

なので、KP-10S 100V-300Wは製造終了しましたが、FP-10S 100V-300Wとおっしゃっていただければ、ランプは入手できますのでご安心ください。

2017年5月19日追記: 残念ながら富士電球も数年前に製造を終了しており現在は入手できません。

ということで、ちょっと想い出に浸りながら記事をアップさせていただいたスマートライトの中畑でした。
(途中から話題が近藤電気からKP-10Sになったことはあまり突っ込まないでください)

河北ライティングソリューションズ株式会社

河北ライティングソリューションズ沿革(公式サイトより引用)

1927年8月
近藤電気工業所創業
映写用ランプ/投光用ランプの製造を開始

1968年4月
GTEシルバニア社との合弁、技術援助契約を締結

1972年11月
近藤シルバニア株式会社と社名を変更
カメラ用フラッシュキューブの生産販売開始

1973年1月
宮城県河北町に工場を建設し、ハロゲンランプの製造を開始
他社に先がけ映写用ダイクロイックコーティングリフレクター付ハロゲンランプをリリース

1992年10月
GTEシルバニア社との合弁契約を解消し、フィリップスライティングホールディング B.V. と合弁契約を締結

1993年2月
近藤フィリップスライティング株式会社と社名を変更

1995年1月
メタルハライドランプの製造を開始

1995年10月
フィリップスライティング株式会社と社名を変更

1997年11月
ISO 9001 認証取得

1998年4月
輸出販売業務を日本フィリップス照明機器事業部からフィリップスライティング株式会社に移行

2002年3月
ハロゲンランプ 100,000,000本生産達成

2004年9月
ISO 14001  認証取得

2006年8月
河北ライティングソリューションズ株式会社としてフィリップスライティングホールディング B.V. から独立

2007年10月
DC HIDの開発を開始し、DC HIDリフレクターランプをリリース

2010年2月
DC HID水銀キセノンランプ、キセノンランプをリリース

2010年12月
Dr. Fischer社(ドイツ)製品の取扱いを開始