普通の人がまず目にすることの無い特殊なランプ:【熱電対付きランプ】

おはようございます。今日も雨ですね。私は家から駅まで約2kmを毎日往復しているので雨だとバスを使うようにしているのですが、早朝だと始発バスより早くてズボンの裾もリュックもずぶ濡れになってしまうスマートライト中畑です。


Umbrella / Thejaswi

さて、先日、ハロゲンランプやメタルハライドランプを支えるモリブデン箔というものの紹介をさせていただきました。

スマートライト|照明についてのポータルサイト » Blog Archive » ハロゲンランプやメタルハライドランプを支える沈黙の偉人モリブデン箔

今日は、照明器具を製造しているメーカーが、開発した器具の温度がちゃんとランプの仕様で決められた温度内で設計されているかどうかを確認するための特殊なランプのご紹介をします。

そのランプと、この【熱電対付きランプ】と呼ばれるものです。

Netsudentsui01

熱電対の原理はwikipediaでみてみると、

熱電対(ねつでんつい、thermocouple)は温度差を測定するセンサ。異なる二種の金属を接合すると、それぞれの熱電能の違いから2つの接合点を異なる温度に応じた電圧が発生し一定の方向に電流が流れる。異種金属の2接点間の温度差によって熱起電力が生じる現象(ゼーベック効果)を利用した温度センサである。

熱電対 – Wikipedia

とのこと。

ランプの場合、モリブデン箔部分の温度が350度を超えるとモリブデンの酸化が急激に進み単寿命になったり、ダイクロイックミラー部分の温度が高温になると蒸着した素材が蒸発して光の質(色)が変化しまったりと不具合が発生します。

なので、モリブデン箔部分やリフレクター部分に熱電対を取り付けたランプをランプ工場でつくり、照明器具メーカーが自社の器具に熱電対付きランプを組み込み、時間かけてその温度を確認します。

Netsudentsui02

一般的に店舗や家庭などで使用される照明器具の場合、空冷ファンをとりつけることは騒音やコストなどの問題からあまりありませんので、器具を凝ったデザインにしたりコンパクトにすればするほど、どのように放熱を行うかが器具開発者の悩みどころだったり、ノウハウだったりします。

そして、熱電対付きランプで測定した温度データがオーバーしてしまったりすると、デザインとやコストと放熱のバランスを取る為に、また頭を悩ませることとなるのです。

ということで、普通に使う人にはまずお目にかかれないこの【熱電対付きランプ】を今日は紹介させていただきました。

蛍光灯ってガラスだから割れたら危ないよねって思っているあなた!安全な飛散防止膜付蛍光灯ってものがありますよ!

おはようございます。

すっかり暖かくなったものの、今日は雨。つい先日まで入社式やら花見などといっていましたが、今週末からGWが始まるなんて知らなかった、スマートライト中畑です。

さて、直管蛍光灯には、事務所や学校などに一般的に使われているタイプから、色が鮮やかに見えたり、虫が寄らないようにだったり、紫外線を照射するなど、ちょっと変わった特殊用途の蛍光灯など、様々な商品が販売されております。

今回は、定期的に食品工場(パン工場)様からご注文頂く飛散防止膜付蛍光灯についてご案内します。


Bread / masterplaan

さて、そもそも飛散防止膜付蛍光灯というものとはなにか?という話ですが、とっても簡単に一言で言ってしまうとサランラップがまかれた蛍光灯という感じです。


Rap rebelde / Libertinus

あ、これは違うラップですね。

話を元へ、

蛍光灯はガラスでできているので、なにかの拍子にランプにモノがあたり割れてしまう可能性があります。割れた蛍光灯ってばらばらになってしまいますよね。


Smeeesh / neurmadic aesthetic

万が一、食品工場で蛍光灯が割れたりしてその破片が食品に混入してしまったら大変です。でも、飛散防止膜付蛍光灯なら大丈夫!

下の写真、ちょっと見づらいのですが、飛散防止タイプの方は、ガラスは割れていますが膜があるため割れたガラスは膜の中に納まっています。

飛散防止蛍光灯

また食品工場以外でも、飛散防止膜付蛍光灯は幼稚園、保育園、学校などにも使われております。あと、電車の中にある蛍光灯も飛散防止タイプがついているんですよ。

施設を管理されている方々は、日々、その場所を使われる人達の安全を考えて、蛍光灯1本までどんなものを使うべきか検討しているんですよね。本当に日本は素晴らしい国です。

ということで、蛍光灯 → ガラス → 危険! と思われる場所や現場などには、ぜひ、この飛散防止膜付蛍光灯を検討してみてください。

パナソニック飛散防止膜付蛍光灯対応表

(一般照明用蛍光灯)        (飛散防止膜付蛍光灯)
FHF32EX-N-H  →        FHF32EX-N・P-H
FL40SS・W/37           FL40SS・W/37P
FLR40SW/M-X・36         FLR40SW/M-X・36P
FLR40SD/M-X・36         FLR40SD/M-X・36P
FLR40S・EX-N/M-X・36      FLR40S・EX-N/M-X・36P
FLR110H・W/A・100        FLR110H・W/A・100P

飛散防止膜付蛍光灯の価格はこちら

既存器具でハロゲンランプの光の質は保ちながら省エネできるIRハロゲンランプ(赤外線反射膜)という選択

昨日は夕方から大雨が降りましたね。私は東京タワーのそばのザ・プリンスパークタワー東京で昨日・今日と開催されているマイクロソフトのWindows Developer Daysに行ってきたのですが、Windows8とかMetoroとかKinectとか、マイクロソフトのソフトや開発環境、デバイスなど、有益な情報ばかりでとても楽しんできました。

イベントに参加して3つ程講演をきいたのですが、いずれもマイクロソフトが非常にユーザーの立場に立って製品やサービス、会社のあり方を考えている雰囲気を感じました。そんな私も昨年、Let’s NoteからMacBookProに変えたばかりなのですが、今回のイベントで改めて、Metroとかウインドウズフォンのアプリケーションとか作りたいなぁと思いました。

これからのマイクロソフトが楽しみですね!

Microsoft Windows Developer Days (WDD) ホーム

おはようございます。スマートライト中畑です。

さて、みなさんは、IRハロゲンランプという商品を聞いた事はありますか?

IRとは”Infrared Refrective Layers Coating(赤外線反射膜塗装)”の意味で、ハロゲンランプの発光管(バルブ)の内側に赤外線反射膜を塗布し、フィラメントからの熱が赤外線となって外部に放出されることを抑え、ほとんどの電力エネルギーが熱になってしまうハロゲンランプの電力を光に変換する効率を向上させたランプになります。

また、楕円型のバルブにも意味があり、幾何学的にフィラメントから照射される赤外線がフィラメントのある位置に反射するような設計となっています。

現在、各メーカーから様々なIRハロゲンランプが発売されており、従来のハロゲンランプからIRハロゲンランプに交換するだけで、約30%程の省エネも実現できるという、実はとてもすばらしい技術を採用したランプなのです。

赤外線反射膜仕組

最近の省エネ化の流れで、ハロゲンランプからハロゲン形LED電球に変えたいというご相談をよく頂きますが、使う場所や使用途によっては、必ずしもLED電球をオススメできるわけではありません。

LED電球に変える事で確かに省エネにはなりますが、ハロゲンランプの光が持つ「温かみ」「輝き」「照射物を鮮やかに見せる」などの特徴は、LED電球では出せない部分があります。

特に飲食店では、ハロゲンランプの光によって「おいしい料理をさらにおいしそうに見せる」ことができるため、調理場からスタッフに料理を渡すカウンターや、お客様のテーブルに直接光を提供するスポットライトなどの器具には、ハロゲンランプをお使い頂く事を強くオススメしています。

現在、節電や省エネの流れで、店舗全体での電力量を削減はどのお客様も検討されていたり対策されていると思います。

もし、ハロゲンランプの光の質を維持しながら、電力量を削減したいという場合には、是非IRハロゲンランプをお使い下さい。明るさや光の質はそのままで消費電力を約30%程度削減できる、とてもおすすめのランプです。

ウシオ JR12VスーパーラインIR ハロゲン

     (現在)           (オススメ)
(ウシオ)JR12V50WLN/K/EZ-H ⇒(ウシオ)JR12V35WLN/K/EZ-IR
(ウシオ)JR12V50WLM/K/EZ-H ⇒(ウシオ)JR12V35WLM/K/EZ-IR
(ウシオ)JR12V50WLW/K/EZ-H ⇒(ウシオ)JR12V35WLW/K/EZ-IR

→ウシオJR12VスーパーラインIRハロゲンの価格確認

パナソニック ミニハロゲン電球 マルチレイアPRO

     (現在)           (オススメ)
(パナソニック)JD110V65WNPE ⇒(パナソニック)JD110V50WNPEW
(パナソニック)JD110V85WNPE ⇒(パナソニック)JD110V65WNPEW
(パナソニック)JD110V130WNPE ⇒(パナソニック)JD110V95WNPEW

→パナソニックミニハロゲン電球マルチレイアPROの価格確認

GE ハロゲンビーム IR-PAR

     (現在)           (オススメ)
(パナソニック)BF110V80WD 
(東芝) BRF110V80W    ⇒(GE)JDR110V50WN/K9M

(パナソニック)BF110V120WHD 
(東芝) BRF110V120W   ⇒(GE)JDR110V60WN/K12M

→GEハロゲンビームIR-PAの価格確認

調光器対応タイプのLED電球で調光がうまくいかない時の解決策

最近、「調光器対応タイプLED」や「調光タイプLED」などが発売されており、かつて、”ここにはLED電球は使ってはいけません”と注意書きがされていたようなアプリケーションにも対応した、LED電球が各社から販売されています。

さて、今回は、調光器対応タイプのLED電球についてのお話です。

一般的に調光器がついている現場とは、「飲食店」「ホテルの客室」「バー」「スタジオ」「クラブ」「舞台」などがあります。

明るさを変える事によって空間に様々な表情を見せたい時などに調光器が使われており、それだけプロ向けで照明にこだわった空間に使われている事が多いです。

調光器には「位相制御(いそうせいぎょ)サイリスタ」方式と「PWM」方式の2つがあります。調光器には、製品によって予めアンペア数、消費電力の(ワット数)の容量が決められており、その容量の範囲内でしか調光が利かない仕組みとなっております。

例えば、10A(100Vの場合は1000W)が定格容量の調光器の場合、照明器具のワット数の合計が約700W(容量の約70%)までに抑えるのが一般的です。

では、調光器つきのある店舗のランプをLEDランプに変更する例を上げてみます。

【既存のランプ】
■調光器:700W(定格は1000W)が上限の調光器。
■照明:ダイクロハロゲン50W
■数量:14個
■合計消費電力:700W

【LEDランプ】
■調光器:700W(定格は1000W)が上限の調光器。
■照明:ダイクロ形LEDランプ4.5W
■数量:14個
■合計消費電力:63W

このケース、LED電球に変える事で消費電力は10分の1以下にまで削減しています。

しかし、まれに調光がうまく利かない場合もあります。

これは、調光器の性能として下限(消費電力の最低負荷)があることが原因となっていることがあります。

この場合の対策としては、負荷を増やす事で解決します。たとえば、既存のダイクロハロゲンを1つそのまま点灯するなどです。

LED電球の普及によりLEDが使用されるケースは増えていますが、本来、白熱やハロゲンランプ用に設計された装置では予想されなかった状況になることで、うまく動作しないケースがあります。

上記の様に、既存ランプを1個点灯するだけで解決するようなこともあれば、装置を丸丸交換しなければならないようなことなどさまざまです。

ここら辺、ランプや電源、照明器具についての知識だけではなく、実は「経験値」も重要になってくるので、なにかお困りのことがありましたら、お気軽にスマートライトまでご相談ください。

ご相談はこちらから

ちなみに、調光に対応したLED電球はこんなラインナップがありますよ!

調光タイプ ハロゲン形LED電球

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ウシオ LDR5L-M-E11/D/27/5/18
ウシオ LDR5L-W-E11/D/27/5/30

調光タイプ ミニレフ形LED電球

002

ウシオ LDR100V3.5W27/VW/E17
ウシオ LDR100V3.5W30/VW/E17

■調光タイプ シャンデリア電球形LED電球はこちら
003

ウシオ Let調光タイプ(ULEF~)

■調光タイプ 一般電球形LED電球はこちら
Pa LDA8LA1D 500
【パナソニック】 LDA8LA1D 30W相当 電球色

Pa LDA8DA1D 500
【パナソニック】 LDA8DA1D 40W相当 昼白色

直管蛍光灯形LEDランプの新規格 JEL801とJEL802とは

おはようございます。今日は雨でちょっと肌寒いですね。季節の変わり目は体調を崩しやすいので注意せねばとおもっているスマートライト中畑です。

さて、先日、直管蛍光灯形LEDランプの様々な種類について書きましたが、今回は、日本器具工業会が認定したJEL規格について紹介させて頂きます。

現在、直管蛍光灯形LEDランプは海外製品、国内製品など様々な仕様で発売されておりますが、日本器具工業会は誤装着についての注意喚起を呼び掛けてきました。そして、先日、日本器具工業会として直管形LEDランプの次の新規格が2つ発表されました。

(1) JEL801規格

日本の蛍光灯メーカーである、パナソニック、東芝、NECなどが発売。L字型をした2本ピン口金を採用した直管形LEDランプにの規格で、専用器具(ソケット)とセットにて点灯可能。蛍光灯の口金G13とは互換性が無いため、誤って装着される事はないない。

JEL801画像

JEL801画像2

(2) JEL802規格

三菱オスラムが発売。口金G13で専用コネクタより給電する方法を採用した直管形LEDランプ。

蛍光灯器具の配線工事をするだけで使える為、新たに器具を購入しなくても使用することも可能。また、専用コネクタより給電し点灯しているため、口金G13部分に電気は通ってなく、あくまでランプを支える役割のみとなっている。



※JEL802画像

まとめ

日本器具工業会の規格とは、これらのランプを使わなければならないという強制的なものではなく、あくまで、日本器具工業会が様々な視点から見て規格として推奨するというもの。

今後、どんな規格のランプや照明器具がスタンダードになるかは分かりませんが、LED化の転換期においては、色々な動き次々と出てきそうです。

君は「黄金のランプ」を見たか!?

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The Treasure Map / cameronparkins

みなさんは「黄金のランプ」を見たことありますか?

こう言うと、まるで「伝説のランプ!」というような感じですが、工業的に正しく言い換えると、「黄金のランプ」とは反射板に金蒸着をしたランプのことです。

現物はこちら

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さて、この「黄金のランプ」はどんなところにつかわれているかというと、対象物を切ったり穴を空けたりすることなく状態を判断するための検査(非破壊検査)をする装置の光源や、光を集めることによって温度を上げ素材の加工等を行う装置の光源として使われています。

どちらも、私達が普段ランプに求める「可視光」ではなく、「赤外線」という光の成分(波長域)を使います。また、金という素材は光の反射率がとても高いので、フィラメントから出る光を後ろに漏らさず有効に使えるよう反射板に金蒸着をおこなうのです。

一方、店舗照明などに使われているミラー付きのハロゲンランプは、なるべく照射対象に熱があたらないよう、反射板で熱は後ろに透過させ光を反射させるようにしています。このミラーのことをダイクロイックミラーといいます。

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ちなみに、私達にとって「金」といえば装飾用というイメージが強いですが、下記、田中貴金属株式会社のサイトをみてみると、貴金属被膜形成や電気接続技術、メディカルなど工業的に「金」が使われていることがわかります。

田中貴金属|工業製品一覧

一方ではなるべく照射したくない「熱」を、別のアプリケーションではできるだけ有効に利用したいとおもっていることとか、普通の人がイメージしている「金」とは全くことなる「金」の用途とか、世の中本当にいろんな世界や価値観があっておもしろいですよね。

ということで、今日は「黄金のランプ」のご紹介でした。

直管蛍光灯型LEDランプの様々な種類と注意点について


Fluorescent Portrait / GIANTsqurl

おはようございます。今日はとても暖かくていいお天気ですね。毎朝通勤電車で新社会人達のキラキラとした表情をみるのが大好きな、スマートライト中畑です。

さて、皆さんは直管蛍光灯型LEDランプを既に使われていますか?

2009年頃から様々な従来の直管蛍光灯に置き換えのできる直管型LEDランプが発売されておりますが、海外からの輸入品も多く販売されているのが現状で、直管LEDランプの規格が未だに統一されていないことから、現在、様々な点灯方式のランプが発売されております。

今回は、日本器具工業会が発表している直管型LEDランプの種類とその注意点を明記した資料を一部紹介いたします。
 
現在、発売されている直管型LEDランプは、大きく分けて5種類があります。

  • (1) 口金G13 専用電源内蔵形 交流用(工事不要)
    ※メーカー例:江東電気、極光電気
  • (2) 口金G13 専用電源内蔵形 直流用(工事必要)
    ※メーカー例:フィリプス、ローム
  • (3) 口金G13 専用電源別置き形 直流用 (工事必要)
    ※メーカー例:内田洋行
  • (4) 口金G13 専用コネクタより給電タイプ (工事必要)
    ※メーカー例:三菱オスラム、ローム
  • (5) 専用口金 専用器具にて点灯するタイプ
    ※メーカー例:パナソニック、東芝、NEC、ENDO

器具工業会発表資料では(1)~(3)までの3種類になってますが、(4)(5)は最近のメーカーの新商品にこのタイプが多く今後は主流になる予測もあるため追記しておきます。

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器具工業会発表の資料では、特に従来の蛍光灯と同じ口金である「G13口金」を採用している直管型LEDランプにいついて注意を呼び掛けております。下記表を参照下さい。

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上記の問題点を一言で言うならば、それは「蛍光灯と同じ口金「G13」で、点灯方式が異なる直管型LEDランプが存在している」という事です。そして、ランプは口金が同じであれば装着が可能で、もし点灯方式が違うのであれば、誤って装着した場合に問題が起こる可能性があるということになります。

私もこれまでに様々な直管型LEDランプの導入実績がありますが、同じG13という口金で製品仕様や配線方法が違う商品をたくさん見てきました。

電気的な知識を持っている専門家でさえ、製品仕様をキチンと確認しないといけない状況はちょっと心配です。また、工事後は、後からランプを交換する人が直感型LEDランプが使用されていることがわかるようい、「LED専用器具」とシールなどで明示することが望ましいでしょう。

そして、これらの問題は「LEDランプの口金を専用口金にする事」で解決するのですが、現状は、蛍光灯器具「G13口金」が普及していることもあり、設備を所有するオーナーさんなどは、できるだけ既存の照明器具を生かしたいと考えておるのも事実です。

今、蛍光灯からLEDへと大きく移り変わる変換期で、立場によってランプ仕様に求められるものの優先順位は変わってきますが、今年の7月からLEDランプもPSEの規制対象に追加されることもあり、すこしづつ、【カタ】が決まってくるのではないでしょうか。

でも、私達は常にアンテナをたてていないと、在庫を一杯抱えてしまったりするので、気をつけねばです。

ランプの「賞味期限」は・・・??


賞味期限の切れたビール / sekido

時々頂く問い合わせの中で「ランプの賞味期限はどのくらい??」というような質問があります。つまり「ランプを購入してから、どのくらいの期間使わずに在庫しておいても問題なく使えるか??」という問いです。

メーカーの製品保証の見解は、「販売より1年間」としているところが多い為、基本的にはこれに準ずる事となりますが、商社や卸が複数社関わっている場合が多く、1年間というのも最終ユーザーが買った時点で既に長い時間が経っている場合もあるため曖昧です。ただ、経験的には数年間使わずにおいていても問題なく使えておりトラブルになることはまずありません。

しかし、先日ちょっとトラブルがあったのでそのお話をしたいと思います。

そのトラブルとは、弊社からお客様に納品したランプが続々と不点灯になる現象が発生するというもので、言葉にするとあっさりですが、担当の方や現場の方、それはもういろんな方々にご迷惑をおかけしました。

そして、そのトラブルが発生したランプなのですが、それが「ハロゲンランプ」です。

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ハロゲンランプについてちょっと説明しますと、このランプはハロゲン化ガスという混合ガスをランプの発光管の中に封入したランプで、発光原理は白熱電球と同じでようにフィラメントに電気を流す事で発光します。そして、発光したフィラメントがハロゲン化ガスによって長寿命になったり、光量がアップしたり、光の質がかわったりするのが特長です。

そしてこのランプですが、実は発光管に封入しているハロゲン化ガスが長い時間をかけて少しずつ漏れる事があります。これを「リーク」といいます。ランプの製造過程に原因がありおこることもあるのですが、長い時間をかけておこることもあります。

実際には発光管に外気が入り、この中の酸素がタングステンでできているフィラメント部分を酸化させます。そして、この状態でランプを点灯すると、フィラメントが異常な燃焼を行い単寿命になります。

今回、お客様にご迷惑をおかけしたランプは、非常に長い間、弊社の倉庫で光り輝く活躍の機会に向けて待機していたランプ達なのですが、ちょっとその時間が長すぎたようで、最初はきれいだったタングステンも気がついたときにはすっかり酸化して色が変わっていました。

そのランプの写真があるので、ご覧ください。

リークしたフィラメント画像

ランプが正常な場合は、フィラメントがキレイなタングステンの銀色をしています。(写真左)しかしリークしている場合は酸化して「茶褐色」や「青色」に変色しています。(写真中、右)

今回、お客様にも多大なる迷惑をおかけしてしまいましたが、このランプを改めて目の前にすると、1個1個、工場の人達が一生懸命つくってくれたランプをこのような状態にしてしまったことも本当に言葉がありません。

今後、古いランプでお客様にご迷惑をおかけすることは、私達の心がけで回避することはできるのですが、在庫にあるランプを定期的に無駄にしてしまうことの解決策はまだ思いつきません。うーん。

ポール灯のランプがLED電球になっている使い方を見ました

先日、駅までの道の途中でこんなものを見つけました。

Finder

これ、わかります?

ポールライトの照明としてLED電球が使われているのです。

器具としては、微妙に違いますが、おそらくこのタイプの器具。

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岩崎電気:公園・街路用照明器具 HGA3016M

ちなみに、夜はこんな感じで40代男性が夜道を歩くには十分な明るさでした。
Finder 1

岩崎電気のカタログを見ると、適用ランプはFECマルチハイエースH、アイサンルクスエース、水銀ランプとなっており、すべて安定器が必要なタイプです。

よって、ランプソケットはLED電球と同じE26ソケットであっても、そのまま100V入力のLED電球を使用することはできないので、電気工事をおこない安定器を外したと予測されます。

心配

基本的にほとんどのLED電球は屋内で使用することを前提に製造されています。なので、屋外で使用するにあたってはリスクや問題がいろいろあります。

実際、LED電球の箱にある注意書きをみてみると、

RIMG1276 JPG

このようなことが書いてあり、写真と同じような使い方は完全に自己責任になると思われます。

特に、

  • 水滴がかかったり湿度が高くなる可能性があること
  • 温度が高くなる可能性があること

などがある為、ランプの単寿命や電気的なトラブルが発生する可能性があります。

ランプメーカー出身の私としては、不安な要素だらけなのですが、現実的には屋内でしか使えない器具を、軒下や屋外で使われていたりするケースも世の中多々あるので、今後もこのポール灯をチェックしていきたいと思います。

ハロゲンランプやメタルハライドランプを支える沈黙の偉人モリブデン箔

みなさん、【モリブデン】という物質をご存じですか?

ウィキペディアで調べてみると、

銀白色の硬い金属(遷移金属)。常温、常圧で安定な結晶構造は体心立方構造 (BCC) で、比重は10.28、融点は2620 °C、沸点は4650 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。空気中では酸化被膜を作り内部が保護される。高温で酸素やハロゲンと反応する。アンモニア水には可溶。熱濃硫酸、硝酸、王水にも溶ける。原子価は2価から6価をとる。輝水鉛鉱(MoS2 など)に含まれる。資源としては、アメリカで約30 %、チリで約30 %など、北南米で世界の過半数を産出している。
モリブデンは、人体(生体)にとって必須元素で、尿酸の生成、造血作用、体内の銅の排泄などに関わる。微生物の窒素固定に関しての酵素(ニトロゲナーゼ)にも深く関わっており、地球上の窒素固定量の70 %以上は、モリブデンが関与していることになる。
また、植物にとっても必須元素であるため、モリブデン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩の形で、肥料として販売されている。

とのこと。人体にとっても必須要素だったり、肥料として販売されているということはこれを見て初めて知りました。

さて、今日はランプにとってのモリブデンの話です。

モリブデン箔は、ハロゲンランプであれば、
Finder

放電灯であれば、
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こういったところに使われている薄い板状のものです。

役割

モリブデン箔の役割を簡単に言うと、異質のものの折り合いをつけることです。

ランプの命といわれる光を発する部分は【発光管】と呼ばれ、窒素やハロゲンガスなどが封入されており外気から遮断された状態になっております。また、この発光管は主にガラスやセラミックなどの材質でつくられています。そして、光を発する為には、発光管の外から中へ電気を流すための金属が必要になります。

しかし、ここで問題が起こります。ランプは点灯中に非常に高温になるので熱膨張というものがおこり、この時金属がガラスに含まれていると、材質ごとの膨張率の違いにより、その間にクラックが発生します。そして、そのクラックにより外気が発光管内部に侵入してしまうとランプが不点灯になるのです。

モリブデンはランプの封じ部と呼ばれるところで薄い箔状に組み込まれます。そして発光管内部と外部にそれぞれリード線が溶接され、外部から内部に電流を流す役目を負います。また、モリブデン箔の熱膨張率はガラスにとても近い為、点灯・消灯の繰り返しによる温度の変化でクラックが発生することがありません。

なので、ガラスと金属という異質の物質で常温・高温による変化が日々起こっても、ふたつの間にひび割れが発生しないよう、折り合いをつけているのがこのモリブデン箔なのです。

なんか、調整の為にがんばっているいい人!って感じがしませんか? 会社にもこういう人がいるといいですよね。

Finder 2

脅威

そんな風に、日々異なるモノの折り合いをつけているモリブデン箔なのですが、脅威があります。それは、酸化と仕様以上の高温です。

ランプを点灯していると、どうしても外気に触れるところから酸素が侵入します。そして、モリブデン箔がその部分から少しづつ酸化して酸化モリブデンへと変身してしまいます。

酸化モリブデンになると、膨張率が変わってくる為ガラスとの間にクラックが発生してしまいます。

また、一般的にランプの封じ部の温度は350度以下になるようにランプメーカーから照明器具を製造するメーカーに仕様を求めているのですが、器具の設計がそうなっていなかったり、空冷ファンなど温度をコントロールする機能が故障などにより動作しなくなると、ランプの封じ部の温度が350度を超えてしまうことがあります。

すると、モリブデン箔の酸化が一気にすすみ、クラックが発生し、外気が侵入してランプ不点灯の原因となってしまうのです。

ちなみに、封じ部の温度を350度より高くする技術がいくつかあり、それを導入しているランプもあります。ただし、コストアップになってしまうので、なかなか悩ましいところです。

また、日々の酸化には封じ部を長くすることによりなかなか発光管へクラックが到達しないように対応しているランプがあります。発光管の大きさにくらべて、モリブデン箔の部分が長いランプを見たら寿命を長くするための対策で間違いないと思います。

まとめ

以上、ハロゲンランプやメタルハライドランプで必ず使われているモリブデン箔について説明をしました。

メタルハライドランプやハロゲンランプは、長い時間をかけて、いろんな問題を工場の技術や品質の方々が解決した歴史があり、モリブデン箔だけでなく、ランプ内部の封入ガスや、フィラメント、リフレクターのことなど、話題は盛りだくさんです。(まぁ、たいがい、不具合がらみの想い出なんですが..)

時代はますますLEDになってきていますが、メタルハライドランプもハロゲンランプも、まだまだいろんなところで使われているので、ぜひ、それらのランプを手にすることがあったら、ランプ封じ部にあるモリブデン箔をチェックしてみてください。